レストランや小売店を見つける時、たとえば「池袋 ラーメン」とGoogleで検索すれば、池袋にあるラーメン店の地図が出てきます。店の位置が分かるだけでなく、経験者のレビューも載っていることがあり、多くの人が訪れる前の情報源としてこれを活用しています。
しかし、店舗側からすると、否定的な口コミが投稿されるリスクがあり、そのままにしておけない状況も考えられます。そこで、Googleマップに掲載された口コミを削除する方法について、どのように依頼するかや気をつけるべきポイントをご説明いたします。
Googleマップのクチコミを消す方法
Googleマップにレビューを投稿することは、Googleアカウントを所有している人ならだれにでもできます。その結果、投稿されるレビューが全て好意的なものであるとは限りません。レビューが良好な宣伝につながることもあれば、逆に人々が訪れるのを躊躇する原因となることもあります。
しかし、悪い評判があるからといって、それを自分で消すことは不可能です。その評価を削除するためには、Googleに削除を申請することが必要です。
Google検索やGoogleマップから削除依頼する
Google検索やGoogleマップにおける依頼方法について説明する内容です。手順を順を追って説明します。
Google検索から削除依頼する方法
- Google検索で自店舗の名前で検索し、検索結果画面の右側に表示される店舗情報から、”すべてのGoogleレビューを見る “をクリックする。
- 全てのレビューが画面に出たら、削除したい口コミを探し出し、右上の縦三点のメニューを開いて「レビューを報告する」を選んでください。
- 削除を依頼する理由を選択します。
- 送信ボタンをクリックして、削除依頼を行います。
Googleマップから削除依頼する方法
- Google マップでご自身の店舗を見つけ、左側にある店舗の情報セクションから削除を希望するレビューを選んでください。その後、右上隅にある縦に並んだ3つの点をクリックして、「違反コンテンツの報告」を選びます。
- Google検索と同じように、削除を求める理由を選べる画面が出ますので、適切な理由を選んでから「送信」ボタンをクリックしてください。
Googleビジネスプロフィールから削除依頼する
もしあなたがGoogleビジネスプロフィールに登録されたオーナーであれば、Googleビジネスプロフィールの管理インターフェースを通じて削除を申請することができます。
Googleビジネスプロフィールの管理にアクセスした後、左側にあるメニューから「レビュー」を選んで、特定のレビューを探します。見つけたら、「不適切なレビューを報告する」をクリックしてください。その後、Googleのウェブ検索やマップで行うように、削除を希望する理由を選び、「送信」ボタンをクリックして手続きを完了させます。
投稿者に削除をお願いする
基本的に口コミは、投稿者本人しか削除することができないものです。そのため、もし投稿者が誰かを特定することができれば、直接その人に連絡を取り、削除してもらうよう依頼することができます。
投稿者に内容証明郵便を利用して警告通告をする方法で削除を要請します。しかし、投稿者を特定することは容易ではないという問題があります。
たとえば、Googleのレビューを投稿する際にはGoogleアカウントが必要ですが、中には本名でアカウントを作成している人もいます。とはいえ、本名が判明したとしても、それをもとに住所を特定するのは困難です。基本的に、投稿者が自店舗に関連する人物であり、その人が間違いなくレビューを投稿したことが確認できる場合を除いて、この方法はあまり有効ではないと言えます。
また、たとえ住所が分かっても、内容証明郵便を出すと、炎上や更に大規模なトラブルに拡がる可能性も考えられます。従って、どう対応するかは慎重に考えるべきです。
Googleに対して法的に削除を求める
提出されたレビューが自分の店に対する名誉毀損であると確実に証明できる場合は、Googleに削除を要請することができます。Googleのポリシー違反を報告するフォームを使う方法では、削除を求める詳細な理由を記入することはできませんが、この手続きを通じて、法的な削除義務があることと、その理由を明記して削除を要請することが可能です。
削除できないケースもある
ご依頼による調査の結果、名誉毀損である証拠が提出され、レビューが虚偽であることが確認できればそのレビューは取り除かれます。しかし、提出された証拠が不足していて名誉毀損と判断できない場合は、レビューはそのまま残ります。それに加え、別の状況下でもレビューは削除されないため、異なる対応策を検討する必要が出てきます。
- 評価の星マークが1つつけられているだけで、何のコメントもない投稿
- 「スタッフの対応が良くなかった」や「店の雰囲気は薄暗い」といったような、単なるレビュアーの個人的な意見に過ぎないコメントです。
- たとえ店舗に対するものが否定的な内容であったとしても、そこに嘘が含まれておらず、実際に起こった事実に基づいた投稿です。
削除申請の流れ
- 考えられる名誉毀損に該当するレビューをスクリーンショットで保存し、それを印刷することにします。これはレビュアーが後で投稿を修正したり、レビューを削除して評価の星のみを残したりするのを防ぐためです。
- 状況に応じて、口コミの中に実際の事実が含まれていることもあるでしょう。ですから、投稿された内容の中で何が真実であり何が偽りであるかをはっきりさせることが大切です。
- 私たちは偽りであることを明らかにする証拠を可能な限り収集するよう努力します。たとえば、もし提供した商品やサービスに問題があるという顧客の声があれば、その商品やサービスが実際には欠陥のないものであることを証明するための証拠を、可能な限り集めて備えましょう。
- クチコミが掲載されたウェブサイトのURL、侵害が発生した権利とその根拠、対象となるクチコミの内容を含む削除依頼書をまとめ、これをGoogleへ提出します。削除が行われたかどうかについては、Googleからの直接的な連絡は期待できませんので、自分で確認する必要があります。当然ながら、削除依頼が必ずしも受け入れられるとは限らないことを承知しておくことが大切です。
削除対象となるGoogleマップのクチコミとは
お店側からすると、顧客の来店を阻害するような否定的なレビューはできれば全て消去したくなる気持ちは理解できます。しかし、実際には全てのレビューを削除することはできず、Googleの定める基準に従ったものだけが削除できる対象になります。具体的に削除対象となるのは以下の8つのケースです。
スパムと虚偽のコンテンツ
「スパム」というのは、人々が評価を共有するコメント欄を乱すような行動をさします。これには、「何度も同じビジネスに対して悪い評価を繰り返し書き込むこと」や「異なるデバイスを使用して、似通ったメッセージを複数回投稿すること」などが含まれます。
実際に経験していないにも関わらず、虚偽の情報をレビューとして投稿することを虚偽のクチコミと言います。例えば、「従業員の対応が不快だった」「お店の清潔さが不十分だった」「頼んだ料理が美味しくなかった」といった内容の嘘を書き、そのお店の評判を不当に下げるような行動がこれに該当します。
関連性のないコンテンツ
たとえば、レストランの口コミにおいて「政治的な見解を述べる」、「食事に全く無関係な個人の趣向や好みを書き込む」、「自分の仕事や日常生活に関する不満を述べる」など、実際にその店での経験とは全く関係のないことを投稿することを意味します。
制限されているコンテンツ
もちろん店舗とは無関係ですが、アルコール、ギャンブル、タバコ、銃火器、フィットネス機器、医療機器、規制薬品、成人指定のサービス、金融サービスなどの商品やサービスを推奨する内容を含む口コミに該当します。
これらの製品や提供されるサービスを購入できるページへの参照リンクや、連絡を取るためのメールアドレス、電話番号、値引きセール、割引券や価格に関するデータなどの宣伝を目的としたワードを含んだレビューの投稿は許可されていません。
違法なコンテンツ
法律に違反するとみなされるレビューや、違法な行為を伴う文章や画像などのレビューは削除されるべき対象になります。詳しく言うと、以下のような内容が含まれます。
- 性的虐待に関する全ての文書や画像、または性的な意味を持つ児童の描写を含む文書や画像。
- 臓器販売、人身売買などの危険行為を表現したテキスト、画像
- 絶滅の危機に瀕している動物を使用した製品、違法な薬品、不正な取引市場で売買されているアイテムに関する情報や写真。
- 露出的または不当な暴力を描写するテキストや画像、もしくは暴力を奨励する内容のテキストや画像。
- テロリストによって作成された、またはテロリストの目的で作成された文章や画像
テロリストのコンテンツ
テロリスト集団による、口コミでの「新規メンバーの招集」「テロ行為の告知」など、どんな目的であってもその利用は厳しく禁じられています。
また、テロリストの組織に属していない人々でも、「テロの行為を推進する」「暴力をあおる」「テロ攻撃を讃える」と言った言動についても、それは同じく問題とされます。
たとえ教育的、記録的、科学的、あるいは芸術的な目的でテロにまつわる情報を共有する場合であっても、視聴者がその共有の目的を正しく理解できるように、慎重に情報を共有する必要があります。
露骨な性表現を含むコンテンツ
露骨な性的内容を含む文章やイメージは、法的に違法かどうかに関わらず、削除されるべきものです。
もちろん、性的虐待や性的な内容の表現、わいせつ、冒瀆、不適切などといったテキストや画像の使用も一切禁じられています。
危険なコンテンツおよび中傷的なコンテンツ
口コミ投稿はユーザー間の情報交換を目的としています。故に、ユーザーに危害を加えたり、名誉毀損につながるような内容を含む口コミは許可されていません。例を挙げると以下の通りです。
- 自分自身または他者に危害を加えると脅す、もしくは危害を加えることを奨励している
- 個人もしくはグループを中傷、威嚇、攻撃している
- このパラグラフを日本語にパラフレーズすると以下のようになります。 人種、民族、信仰、障がい、年齢、国籍、兵役歴、性的嗜好、性別、性自認といった要因などに基づく、またはシステマティックな人種差別や排除につながるような、特定の個人や集団に対する憎しみをあおり、差別を支持し、中傷を行う態度を示します。
なりすまし
誤解を招く行為や偽り、許可されていない団体を偽って連想させる表現などはなりすましに当たります。例えば、「普通の客を装ってライバル店の否定的なレビューを書く」「自分のお店を褒めるレビューを書く」のように、自分の店のメリットになるような虚偽の投稿は許されていません。
利害に関する問題
利益衝突に関連する情報も削除の範囲に含まれます。例えば、「過去に雇用されていた店に否定的なコメントを投稿する」「いくつかの競合する店にレビューを書き込み、総合的な評判を誘導する」といった行為が該当します。
Googleマップのクチコミを削除依頼する際の注意点
削除すべきレビューに関して調べてきました。もしそのレビューが削除基準に合致しているのなら、速やかに削除を望むでしょう。だが、削除を申し立てる時には注意すべき重要な点がいくつかあります。特に重要なのは以下の5つのポイントです。
必ず削除できるわけではない
先に述べた削除対象に当てはまるからといって、必ずしも削除されるわけではないことを認識しておくべきです。削除を決定するのは最終的にGoogleの権限によるものなので、その裁量に任せるほかありません。
削除の依頼理由を説明することはできない
削除の申し出をする際、具体的な理由を提示しなくてもよいため、たとえ偽装が理由であっても、それをGoogleに証明する方法は存在していません。その他にも、スパムや偽の内容をGoogleが事実かどうかを証明するのは困難になるでしょう。たとえ店側がはっきりした証拠を持っていたとしても、それを説明することはできません。最終的にはGoogleがどのように評価するかが、その情報が削除されるか否かの絶対的な基準です。
削除依頼はクチコミごとに1回まで
削除を申請してもなかなか処理されないと、「もしかして連絡が届いていないのでは」「削除理由が十分に伝わっていないのでは」と思い、再度申請したくなることがあるかもしれません。しかし、レビューの削除申請は、1つの投稿につき1度だけに限定されている点にご注意ください。
どんなに正当な理由が存在しても、原則として削除を依頼できるのは一度だけです。何度も削除を求める行為は、スパム行為と見なされる恐れがあります。そのような状況に陥れば、お店のオーナーとしての権限が中止される可能性もあります。ですので、一度の削除依頼が受け入れられない場合は、それ以上追求せずにあきらめるのが賢明だと言えるでしょう。
削除には2週間程度かかる
先述の通り、削除を求めることはそれぞれの投稿につき一度だけ可能です。しかし、どれほど待っても削除が実行されない場合、いつ諦めるべきかの判断基準については、明確に知りたいと思う人もいるでしょう。
Googleフォームを通じて違反内容を報告し、コンテンツの削除を要求する場合、Googleによる審査完了と実際のコンテンツ削除までには約2週間を見込む必要があるでしょう。この時間は前後する可能性がありますが、3週間を経過しても削除が確認されない場合は、削除が行われなかったとみなして良いかもしれません。
削除されても削除通知はない
Googleに削除の申請を行っても、削除が実施されたか否かの結果について通知されることはないのです。削除が実行された場合でも、実行されなかった場合でも通知はありません。そのため、お店側では削除申請後、約2週間をめどに自身で削除が行われたかをチェックすることが必要です。
ネガティブなクチコミへの対策方法は？
口コミを取り消すことは難しく、リクエストしても取り消されないことがよくあります。そのため、悪い評価の口コミが寄せられないよう、予防策を練ることが大切です。
言い訳や反論はせず丁寧に返信する
不満足なレビューが投稿されると、反論や言い訳をすると逆にさらに不満足なコメントがつく可能性があります。そのため、どのようなレビューであっても、最初にお店を利用していただいたことに感謝を表し、レビューの内容が事実ならば誠実に謝罪することが大切です。
悪い口コミに遭遇しても、誠実な返信は好意的なイメージを与えることがありますので、基本的には返信を心がけるべきです。何の対応もしないよりも、率直に謝罪し、改善に取り組む姿勢を見せる方が、より好ましい印象を与えるでしょう。
Googleビジネスプロフィールを最新の情報にする
グーグルの検索やマップで検索結果が誤って表示された場合、それが原因で悪評を受けることがあります。特に、営業時間には細心の注意が求められます。開店していると考えて訪れたのに実際には閉店していたら、否定的な口コミが寄せられるリスクが高くなります。
従って、情報が新しくなった際には、迅速にGoogleのビジネスプロフィールにその変更を適用することが大切です。
クチコミの数を増やす工夫をおこなう
評判が不足していると、悪いレビューが目についてしまいがちで、これがお客様の来店にも重要な影響を与えかねません。この問題を解決するために、店内にポスターやレジの近くにQRコードを掲示したり、会員の顧客にメールでレビューを書いてもらうようお願いするなど、レビューを投稿しやすくする工夫をしましょう。
ただし、ギフトやディスカウントなどの対価としてポストを依頼することは規則に反するので、慎重に行う必要があります
悪い口コミは集客にどれほど影響を及ぼすのか？
ネガティブなレビューが存在しても、誠実な対応を行うことによって、約45%の顧客はそのレビューを気にせず店舗を訪れるという結果が得られています。したがって、批判的なコメントが投稿された際には、顧客に対して親切で心のこもった対応をするようにしましょう。
Googleマップでクチコミを消す際は慎重に
Googleマップ上のレビューは、人々がどの店を選ぶかに大きく寄与しています。したがって、悪い評価が多くなると、当然ながら他の店へ顧客が移るリスクが増加します。
負の口コミが偽物や偽のアカウントによるもので、実際と異なる場合は、迅速にGoogleへの削除依頼を行いましょう。ですが、この度ご説明した通り、削除依頼を出すからといって、それが確実に受け入れられるわけではありません。したがって、削除依頼を行うのはもちろん、そもそも悪い口コミが投稿されないよう予防する努力も同じくらい大切です。「情報をいつも最新の状態に保つ」「否定的な口コミにどう対応するかを検討する」「さらに多くの口コミを募る」などの方法を用いて、質の高い口コミを集めるための取り組みを怠らないで行いましょう。しかし、各店舗の情報を一件ずつ編集したり、口コミの監視を行ったりするのは非常に手間がかかりますし、口コミを利用して顧客を集めるためのいくつかの重要なポイントが存在します。
Googleマップの口コミ代行にご関心がある方、またはその使用にあたり何か問題や疑問が生じている方は、どうぞお気軽にご相談いただければと思います。
